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メルマガの数値検証ってどうやるの?

作成者: 島孝弘|2023年4月28日

メルマガ配信は手軽に何度も行える施策です。だからこそ、送りっぱなしではなく、配信後の数値検証を行って、施策改善を重ねることが大切です。
しかし、ひと口に「メルマガの数値検証」と言っても、何を見て、どう検証すればいいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、毎月100件以上のメルマガ配信を行っているBizHintメルマガチームが、普段どのように数値検証を行い、効果改善に繋げているのか、大公開します。

メルマガ配信施策の効果アップにお役立てください。

 

施策改善の指標数値

まずはメルマガ配信に関する一般的な指標をご紹介します。
メルマガ施策の振り返りを行うために、最低限確認が必要な数値です。

※目安は一般的なリード獲得施策やBizHintでの実績を元に算出しております。業種やテーマなどによって上下します。

 

開封率 (目安:15〜20%)

開封率は、読者の手元に届いたメールがどれだけ開封されて、内容を確認してもらえたのかを示す指標です。メール配信ツールなどを活用することで、確認できます。

配信内容にもよりますが、一斉配信では、開封率が20%を超えれば、平均より良好と考えて差し支えありません。

クリック率 (目安:1〜2%)

本文内にあるサイトへの遷移ボタンやダウンロードリンク、問い合わせリンクなどをクリックした割合です。この指標は、メール内容によって、読者の興味をどのくらい引き出せたかを表しています。

メルマガの目的にもよりますが、資料ダウンロードが目的の配信では開封数の1〜2%程度が目安となります。

コンバージョン率 (目安:15〜25%)

読者が資料ダウンロードや問い合わせなどを完了した割合がコンバージョン率です。

効果の目安は15〜25%としていますが、メールそのものの訴求以外にも、資料ダウンロードページや問い合わせページの構成など、ランディングページでの読者体験にも大きく影響を受けて変動します。

配信解除率 (目安:0.1〜0.5%)

メルマガの受信を停止した読者の割合です。メルマガ配信を行っていると一定数の配信解除が発生するため、発生すること自体に一喜一憂する必要はありません。

ただし、新規購読者の増加数以上の配信解除が発生していたり、「読者1人の獲得コスト×配信解除数」がメルマガで発生する利益以上になっていたりする場合は対策が必要です。

 

数値検証の考え方

上記の指標数値が目安より良かった・悪かったというだけでは、メルマガ施策の改善にはつながりません。
良かった指標については何が良かったのか、悪かった指標については改善点を見出し、どのような打ち手があるのかを明らかにすることで、再現性の高い施策にすることができます。

指標数値と打ち手の関係は一般的に以下の通りです。

 

開封率が低い

読者は件名と送信元を見て、そのメールを開封するか判断しています。
送信元は変更しにくい要素ですので、メール件名が開封率の改善には重要です。

クリック率が低い

メール内のバナーや文面を見て、さらなる情報を得たいと読者が感じればクリックにつながります。
本文のアイキャッチや注意喚起、クリック動線などがクリック率には影響します。

さらに、本文を読む前に触れるメール件名が、「情報への期待」に直結しており、実はクリック率にも大きく影響することがわかっています。

コンバージョン率が低い

誘導先のランディングページの構成や動線が大きく影響します。
また、フォーム項目などもコンバージョン率には関与しています。

なお、ページに到達した読者の期待値が高ければ、多少ランディングページの動線が悪くてもコンバージョンすることもあります。そのため、メール件名や本文で情報への期待を高めておくことが重要です。

 

実際のメルマガ施策では、これらの指標値が全部良い、全部悪いということもあれば、良し悪しが組み合わさった配信結果になることもあります。
なんとなく全体的に数値を見るだけではなく、「どこが悪いからどんな施策が必要」と数値とアクションを紐付けて数値検証する姿勢が大切です。

例えば、「開封率は良いが、クリック率が悪い」という場合には件名・メール本文を見直す、「クリックはされているものの開封してもらえない(開封率が悪い)」といった場合には重点的に件名を改善する、などのように考えることで、効率的な施策改善が可能です。

 

施策改善の方法

メルマガ施策の改善として、BizHintメルマガチームが最も重要視しているのが、メール件名の改善です。メール件名はメールの開封率に大きく影響します。
一般に広告メールの開封率は通常よりも低くなる傾向がありますが、BizHintが配信するメールの開封率は、平均で20%を超えています。

さらに、「数値検証の考え方」でも述べた通り、メール件名は開封率の良し悪しだけでなく、クリック率やコンバージョン率にまで効果が波及します。
これは、資料ダウンロード目的のメルマガ施策の場合、メールを受信した読者は最初に件名を見て、メール内容やダウンロード資料など自身が得られるベネフィットに期待を膨らませているからです。

メルマガ施策の数値検証において、件名の改善は重要なアクションポイントです。

 

メール件名の改善チェックポイント

メール件名は以下のチェックポイントに沿ってチェックしていきます。

  • 短く簡潔である(25文字以内推奨)
  • どのようなメリットが得られるか想像できる
  • 何のテーマについてのメールか一目でわかる
  • 「ネガティブワード」「数の表現(6つのポイント)」など、読者の興味を引くワードが入っている
  • 要素を入れすぎない(訴求は1〜2つに絞りわかりやすくする)
  • 製品名をそのまま記載していない

 

実際の件名改善例

いくつかBizHintで行った実際の件名改善事例をご紹介します。
それぞれチェックポイントのどんな項目を改善したのか、確認しながらご覧ください。

 

「NG求人」とネガティブワードで訴求し、もっと読みたい欲を刺激

前)エンジニアが思わず応募したくなる「ツボ」
↓ 資料ダウンロード数2.4
後)エンジニアに「NG求人」と思われる4つの理由

要素を削減し、読みやすくするとともに営業色を低減

前)<離職や連携不足にお悩みなら>毎日1分のマネジメントが 組織風土を変える
↓ 資料ダウンロード数4.2
後)毎日1分のマネジメントが組織風土を変える

「伸び悩む企業」とテーマを明示し、数字を入れることでわかりやすく

前)「いつ終わる」が見えない中でも企業成長を止めないために
↓ 資料ダウンロード数3.9
後)伸び悩む企業が後回しにしている、たった1つのこと

 

その他の確認ポイント

ここまでご紹介した以外にも、件名・本文・ランディングページの訴求を統一し、読者にとって期待とギャップの少ない状態を作ることが大切です。

特に資料ダウンロードを目的とする場合には、配信するメールごとに個別のダウンロードページを準備すると効果的です。メール内容とダウンロードページの記載内容のギャップを少なくすることで、クリック後の離脱が減少し、コンバージョン率の改善に繋がります。

また、読者の期待値を高め、それに応えた情報提供を行うことは、不要な配信解除の削減にも貢献します。

メルマガ施策は長期的な見込み顧客との接点を構築しやすい手法です。狙った効果が出ないまま送り続けるということがないように、数値に基づいた施策改善を行いましょう。